スピニングリールを買ったら糸巻きをしないといけません。
巻く糸の選び方、スプールへの最初の結び方から巻く方法まで画像付きで詳しく解説します。
すでにラインが巻いてあるスピニングリールの場合のライン交換方法についてもあわせて説明しますね。
結構簡単なので、一度やれば覚えられるはず!
リールの糸巻きに必要な道具を揃えよう
まず作業を始める前に、必要な道具を揃えておきます。
【リールにラインを巻く時に最低限必要なもの】
- スピニングリール
- 新品のライン
- リール竿(並継ぎ竿のほうがやりやすい)
- ボールペンや箸など、長い棒状のもの
- ボロ布またはティッシュ
「スプール」には2種類ある
このあと、「スプール」という言葉が出てきますが、リールの糸巻き部分も、新品のラインを巻いてあるプラスチックの部分も、どちらも「スプール」なので、区別できるように書いていきますね。
糸の素材は何がいい?
リールに巻く糸の素材は主に3種類。
・ナイロン
・フロロカーボン
・PE(ピーイーと読む。ポリエチレンのこと)
それぞれ材質による特徴があるので、どれを巻くかは、どんな釣りをするのかによって決まります。
ナイロン | |
---|---|
用途 | どんな釣りにも使いやすい万能型。ただし深場の船釣りには向かない。 |
長所 | ・しなやかでスプールへの馴染みが良い。 ・糸自体に伸縮性があるので、急なショックに強い。 ・結んだ時の強度低下が少ない。 ・他の素材よりも低価格。 |
短所 | ・伸縮性があるために、アタリに対する感度が鈍い。 ・吸水性があるので、劣化が早い。 ・傷に弱い。 |
フロロカーボン | |
---|---|
用途 | ・海釣りのハリス ・バスルアーの道糸としても。 |
長所 | ・ナイロンほど伸びないので、アタリ感度が良い。 ・傷にも多少強い。 ・吸水性がないので、劣化しにくい。 ・糸の比重が高いので、よく水に沈む。 |
短所 | ・糸にハリがあるので、太くなるほどスプール馴染みが悪い。 ・ナイロンより高価。 |
PE | |
---|---|
用途 | ・船釣りの道糸 ・シーバス、ジギング、エギングなどの海ルアーの道糸 ・バスフィッシングに使う人もいる。 |
長所 | ・細くても強度がある。 ・ほとんど伸びないので、アタリ感度が非常に高い。 ・劣化しにくい。 ・しなやかで、巻きグセがつきにくい。 |
短所 | ・急激なショックや傷に弱い。 ・しなやか過ぎて、扱い方が難しい。 ・表面がツルツルなので、普通の結び方ではほどけてしまう。 ・非常に高価。 |
どれくらいの太さと長さの糸を用意する?
巻く糸の材質は決ったら、次は太さと長さです。
リールのスプールをよく見ると、小さな字で何号が何mまで巻き取れるかが書いてあります。
写真のものは、ナイロン糸で5lbが110m巻き取れるスプール、となっています。
スプールに書いてある太さの範囲内で、やりたい釣りに合った太さを選びましょう。
太さが決まれば、スプールに書いてある長さの糸が必要になりますね。
リールの糸は、基本、つなぎ目のないものを準備します。
初心者のうちは途中で結んだりしません。(結び目がトラブルを引き起こします。)
例えば、3号の糸を150m巻けるスプールに、3号50mと3号100mの糸をつなぎ合わせて使う、ということはしません。
必ず、3号150m、もしくはそれ以上の長さの糸を用意しましょう。
(リールに巻き終わって、なお余った分は切りますので。)
スプールの太さ表記がlbの場合
スプールに表示されている糸の太さの表記方法には「~号」と「~lb(ポンド)」があります。
いっぽうで商品のラインには号数表記またはlb(ポンド)表記しかない場合がありますので、参考までに、号数とポンド数の変換表を載せておきますね。
号数 | ポンド(lb) | 強度(kg) | 標準直径(mm) |
---|---|---|---|
0.8号 | 3lb | 1.4 | 0.148 |
1号 | 4lb | 1.8 | 0.148 |
1.5号 | 6lb | 2.7 | 0.205 |
2号 | 8lb | 3.6 | 0.235 |
3号 | 12lb | 5.4 | 0.285 |
4号 | 16lb | 7.2 | 0.33 |
5号 | 20lb | 9.1 | 0.37 |
6号 | 22lb | 10 | 0.41 |
8号 | 30lb | 13.6 | 0.47 |
スピニングリールの糸巻き方法
事前準備はこれくらいにして、ここからが本番!糸の巻き方に入ります。
こちらの動画を先に見ておくと、この後の説明が分かりやすくなると思います。
PEだけはちょっと違う部分があるので、都度解説するよ!
0.糸を巻いてあるリールの糸の外し方・ライン交換
(ライン交換の人はこの工程から。新品のリールの人はこの工程は省略してください。)
新品のリールではなく、既に糸が巻かれているリールの場合、まずは糸を取り外して、それから新品の糸を巻き直します。
- ひたすら手で引き出す
説明不要ですね。リールのスプールから旧ラインを引っ張り出すだけ。
再利用を考えているなら、別のリールや空のラインスプールなどに巻き取りながら移しかえます。
ラインに巻きグセがついていたり劣化しているようだったら再利用しないと思うので、手でグングン引っ張り出して、潔く捨てちゃいましょう。 - リサイクラーという道具を使う
「リサイクラー」とは、糸巻き取り器です。
リールから出てくる糸をこちらのリサイクラーに空のラインスプールを取り付けて、リサイクラー側のハンドルをグルグル回して巻き取ります。
もちろん、逆回転をすることでリールに新しくラインを巻くときにも使えます。
結構なロングセラーで、改良が重ねられているので使いやすいですよ。
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高速リサイクラー2.0のインプレ!PEラインの巻き替えならこれ一択!
1.竿に糸を通して準備する
最初にリールのスプールの部分に糸を結ぶのですが、結ぶ前に、下図のように、リールをロッドにセットし、リールに一番近いガイドにラインを通しておきます。
これであとあとの糸巻き作業が簡単確実になるのです。
2.リールスプールに糸を結ぶ
ガイドを通ってきた糸をリールのからっぽのスプールに結び付ける作業をします。
2-1.リールのベールを倒す
まずはベールを倒します。
2-2.ドラグノブを緩めてスプールを外す
ドラグノブを反時計回りにガンガン回して外します。
そうすると、スポッとリールスプールが外れ、糸が結びやすくなります。
(スプールを外さなくても糸を結べる方は、この工程は省けます)
2-3.リールのスプールへの糸の結び方
スプールと糸の結び方は、この図のように結ぶと良いです。
結び目が完成した後の余分な糸はかなり短め(5mm以内)にカットしておきます。
PEラインは摩擦熱に弱いので、リールのスプールに結ぶ前に、PEラインをラインスプールごと水にドボッと数分漬け込んで、巻き取り時の熱を軽減します。
また、リールのスプールに結ぶときは上図と同じ結び方でOKですが、手順1.のところで、スプールに3回転くらい巻きつけるとしっかり固定できます。
2-4.リールスプールを戻してドラグノブを締める
2-2.の逆の手順でスプールを戻し、ドラグノブを締め、元の状態に戻します。
2-5.リールのベールを起こして元に戻す
先ほど倒したベールを元に戻せば、このような(糸を巻きとれる)状態になります。
たまに、糸がベールをくぐっておらず、糸が巻き取れない状態でスプールをくっつけてしまう時がありますが、そうなってしまったら、もういちどスプールを外し、ベールを倒した状態(リール・糸が巻けない状態)を確認してスプールを付け直すと、写真のような状態になります。
3.糸を巻いていく
これでリールと糸の結びつけが終わったので、ここからは糸の巻取り作業に移ります。
3-1.ラインスプールにボールペンを刺す
まずは適当なボールペンをラインスプールの中心にブスッと刺します。
3-2.椅子に座ってラインスプールを足で挟む
こんな感じでスタンバイ。
もう1人手伝ってくれる人がいれば自分の足で挟まずに、その人に持ってもらいます。
1人で作業する場合は、写真のように、自分は椅子に座って、竿を持って、両足でボールペンを挟みます。
こうやっちゃダメ。
ボールペンで刺さずに床にラインスプールを直置きにして巻き取ると、糸にねじれが発生し、糸ヨレ(ライントラブル)の原因になります。
面倒でもボールペン方式で巻き取りましょう。
3-3.ボロ布やティッシュでラインをつかむ
リールから20cmくらい離れたところでボロ布やティッシュでラインを包み込みます。
ラインを包んだらティッシュごと竿を握ります。
竿をしっかり握りながら、もう一方の手でリールのハンドルを回し、巻取り開始。
糸がフワフワとゆるんだ状態で巻き取ると、うまくきれいに巻き取れないので、手でラインをギュッと握ってピーンと張った状態をキープしながら巻き取るようにしています。
ナイロン・フロロカーボンラインの場合は、あまり強いテンションをかけるとラインが伸びた状態で巻き取られるため劣化を早めますし、スプール内でラインがお互いに食い込んでしまいます。
テンションの力で「巻くハンドルがちょっと重たくなったな」という程度です。かなり軽めのイメージです。
PEラインを巻く時はもう少しテンションをかけますが、摩擦と熱に弱い素材なので、ライン自体と(ティッシュではなく)布を水で濡らして、摩擦熱を予防し、摩擦を極力減らすために、ゆっくり巻き取ってください。
PEラインはできれば専用の糸巻き器を使用したほうが、摩擦も熱もかからないのでベターです。
4.糸が満タンになったら巻くのをやめる
もし購入したラインの量と、リールスプールのキャパシティー(糸巻き限界量)が違う場合、満タンまで巻いても糸が余りますよね。
その場合は、満タンより1mmくらいラインが少な目(内側にへこんでいる)まで巻いてください。
リールスプールのキャパシティーを超えて糸を巻いておくと、その時は大丈夫なのですが、釣りをしている最中にドバッと束になって糸が放出されますし、あまりに少なく巻くと、投げる際の飛距離が格段に落ちます。
ですので、「満タンからほんの少し少ないくらい」をイメージして巻取りを終了しましょう。
シマノのスプールはエッジが切れ込んでいるので、切れ込みが終わったところからマイナス1mm程度を目安にしましょう。
5.ラインストッパーに止めて完了
たいていのスピニングリールにはスプールに「ラインストッパー」という、糸を引っ掛けるツメがありますので、そこに引っ掛けておけば糸が固定できます。
器具を使って楽に糸巻き交換する手もある
足で挟んでやるのが難しそうとか、今後何回もライン交換しそうだという方は、糸巻き器具を使ったほうが良いかもしれません。
これ1つあれば、ボールペンを足に挟んだり、ティッシュでテンションかけたりする必要はなくなりますので、ノンストレスでライン交換が完了!
先日、私も高速リサイクラー2.0を買いましたが、糸巻き作業が劇的に楽&速くなりましたよ。
今まで何十年もずっと「糸巻きぐらい、足とボールペン使えばできるわい!」と思っていて、高速リサイクラーなんて絶対要らないと思っていましたが、この前買ったら「なんでもっと早く買わなかったんだ~」と思ってしまった便利さでした。
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次はいつ交換すればいい?
リールに巻いてあるラインを長持ちさせるには、釣行後にシャワーなどで水をかけて糸に浸み込んだ塩分を流し、日陰で干してあげることが大切です。
先頭の数mが最も傷がつきやすい場所。
ラインに傷があると、大変切れやくなります。
何回か釣りに行ったら糸を指で挟んでスーッとなぞってみてください。
ザラザラしていたら、その部分は切り捨てて、次回の釣行に備えます。
また、糸ヨレ(糸がねじれて、クルンとねじりパンみたいになってしまう状態)や、巻きグセ(スプールの形がそのままクセづいてしまうスパイラル状態)がきつくなっていたりしたら交換時期です。
時間的な目安としては、ナイロン、フロロラインは1年経ったら交換した方がいいかなと思います。
リールの糸の結び方・巻き方 まとめ
リールの糸巻き・ライン交換はそれほど難しい作業ではありません。
ゆっくりやれば、ほとんど失敗することなくできると思います。
ぜひトライしてみてください。
新品の糸って気持ちいいんだよね!
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