最近では【PEライン】があらゆる釣りで用いられるようになりました。
PEラインて、細くても強度があるから道糸に最適なんですが、一方でちょっとの傷で切れたり、フニャフニャして扱いにくかったりするデメリットもあります。
今までナイロンやフロロを使っていた人は、特徴が異なるため、使い方に注意が必要です。
- PEラインの特徴
- PEラインの正しい使い方
をマスターして、PEラインを上手に活用・釣果アップを目指しましょう!
PEラインとは?その特徴
【PEライン】は「ピーイーライン」と読み、PEはPolyethylene(ポリエチレン)の略です。
そのポリエチレン素材の細い糸を4本または8本編み込んで1本の糸にしたのがPEラインです。
PEラインは、従来から釣り糸としてよく使われてきた「ナイロンライン」や「フロロカーボンライン」とは素材も工法も違うので、その特徴も全く異なります。
PEラインのメリット1・・・細くて強度がある
ナイロンやフロロカーボンラインに比べると、同じ号数(太さ)なら数倍強度が高くなるので、逆に言えば、より細い糸を使うことができるのです。
大雑把ですが、ナイロン5号の強度=PE1号の強度 くらいなので、ナイロンで5号の道糸を使っている人は、PEなら1号でいいわけです。
より細い道糸が使えるようになると、投げる時の飛距離アップや水中での水の抵抗が減って釣りやすくなるなど、メリットは多いのです。
PEラインのメリット2・・・糸の伸びがほとんどない
PEラインは引っ張ったときの伸びがほとんどありません。
伸びが少ないと、糸を伝わってくる振動などが手元まで敏感に伝わってきます。
例えば、海底を引きずるオモリが岩に当たった感触とか、魚がハリを触ってきたときの振動などが竿を握っている手元に伝わってくるのです。
また、船釣りで100mとか、深い水深を攻める場合にも、PEの伸びのなさが大活躍します。
PEラインのデメリット1・・・水に浮く
PEラインは水の比重よりも小さいので、水に沈めても浮きやすいという特徴があります。
この性質は釣りの際にはデメリットとして作用するケースが多いのです。
例えば、仕掛けを無駄に浮き上がらせたり、波や潮の影響を受けて仕掛けが不用意に動いてしまうなど、取扱いには慣れが必要です。
PEラインのデメリット2・・・しなやかでコシがない
PEラインは、ナイロン・フロロラインに比べて、非常にしなやかで、ハリがないのが特徴です。
糸にテンションがかかってないと、ピーンと直線状にならないので、たるんだ瞬間に竿のガイドに絡まったり、リールのスプールに(テンションがかかった状態で)キレイに収まらずにライントラブルが発生したりします。
PEラインのデメリット3・・・傷に弱い
キャスト時の竿との擦れや岩礁に擦れるなどでちょっとPEラインに傷がつくと、そこに負荷が集中し、いとも簡単に切れてしまいます。
PEラインを使用する時はこまめにラインの傷をチェックしておくと、不意の高切れを防ぐことができます。
PEラインの正しい使い方を知っておこう
PEラインは、船釣り、ルアー釣り、エギング、投げ釣りなど、幅広い用途で道糸として使用可能です。
でも、素材の性質上、使う時にはちょっと気をつけておいたほうが良いことがります。
これを知らないと、ただの「使いにくい糸」と感じてしまうかもしれませんよ。
ショックリーダーを取りつけよう
PEラインと仕掛けを直結すると、PEラインの特徴である「伸びのなさ」「コシのなさ」「摩擦への弱さ」がデメリットとして現れてきます。
「伸びのなさ」→合わせた瞬間切れたり、魚がエサを咥えた時に違和感を与える。
「コシのなさ」→竿先に絡んで手返しが悪くなる。
「摩擦への弱さ」→竿のガイドや海底障害物との擦れですぐに切れてしまう。
これらのデメリットをカバーするために、PEラインを使用する時は、多くの場合、先端に「ショックリーダー」と呼ばれる、ナイロンラインやフロロカーボンラインを結びつけ、それから仕掛けを取り付けます。
PEラインとこのショックリーダーを結ぶ結び方は何でも良いわけではありません。
PEラインの表面はツルツルしているので、結んだつもりでもスルッとほどけて抜けることが多いのです。
また、耐摩耗性が低いので、結んだことによる強度低下も気にする必要があるのです。
で、結びやすくて強度低下も少ない結び方が【FGノット】です。
FGノットは慣れれば比較的失敗が少ない結び方だと思いますが、とにかく面倒なんですね。
不器用な私は【ノットアシスト2】という補助器具を使って楽をしています。
テンションをかけて巻き取ることを意識
(船釣りではあまり関係ないですが)PEラインの釣行中のトラブルの一つに、スプールに巻かれたラインが、キャスト時にドバっとまとめて出てきたり、絡まって高切れしてしまうことがあります。
PEラインは、コシがなくしなやかなので、ラインをピンと張らずに(=テンションをかけずに)リールの巻取りを開始すると、フワフワな感じでスプールに収まっていきます。
これが積み重なると、キャスト時ドバっと事件に繋がります。
今までナイロン・フロロラインを使ってきた人ほど、PEラインに慣れるまでは「テンションをかけてリールに巻きとる」ことを意識しましょう。
PEラインの日常メンテナンスで長持ち
PEラインの素材自体は吸水性がないのですが、編み込み糸ですから、編み込みの隙間に海水やゴミなどが入り込んでいます。
それらが素材を傷つける原因になるので、釣行後は真水で洗い流すようにしましょう。
また、真水洗浄で、水が乾いた後にPEライン用のフッ素コーティング剤を吹きかけておくのも効果的。
フッ素により摩耗係数を減らし、ライントラブルの減少や飛距離の維持、耐久性の向上が期待できます。
PEラインの傷チェック
PEラインはちょっとした傷でも、釣行中にパチンと切れてしまいます。
ですので、釣行前に、一番傷がつく可能性のあるPEラインの先端(リーダーの結束部)から5mくらいを目視や指でなぞって傷がないかチェックしましょう。
もしPEラインが毛羽立っているところがあれば、そこからさらに数mチェックし、指触りがキレイになるところまでカットし、リーダーを結び直します。
もちろん、最も傷ついているであろうリーダーもチェックしてくださいね。
デメリットを緩和した進化型PEラインも登場
一般的に、PEラインを選択するシチュエーションは、デメリットよりも「細くて強い」「糸が伸びない」メリットを活かせる釣りの場合です。
でも最近では、PEラインのデメリットである、
「摩擦に弱い」
「低比重で浮きやすい」
という点を抑えた、進化版のPEラインも登場してきています。
PEの種類 | 耐摩耗性 | 比重 | 向いている釣り方 |
---|---|---|---|
一般的なPE | △ | 低(水に浮く) | 船釣りほか、何でも使える |
コーティングPE | ◎ | 低(水に浮く) | ルアーなどキャスティング回数の多い釣り |
高比重PE | △ | 高(水に沈む) | エギング、アジング、ボトムを狙う釣りなど |
従来からある一般的なPEラインでも十分釣りになりますが、釣り方に合わせて進化版PEを使ってみると、その違いに驚くかもしれません。
PEラインの特徴・使い方 まとめ
PEラインはPEならではの取り扱いに注意することで、その長所を存分に活かすことができます。
「細くて強いからPEライン最強!」みたいなイメージがあるかもしれませんが、実は釣り方や魚種によっては多少伸びのあるナイロンやフロロのほうが釣りやすい場合もあるのです。
PEラインは確かに釣りに革命的な変化をもたらしましたが、万能ではありませんので、釣り方や状況に合ったラインを選択することも大切ですよ!
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