胴に石灰質の甲を持つ「コウイカ類」。
元々イカの祖先は巻貝の仲間であるため、イカに進化しても貝が名残として残っているのです。
アオリイカ狙いの外道としてもよく掛かり、大量のスミを吐くことから敬遠されがちですが、コウイカ類は非常に食べておいしいイカです。
今回は、そんな外道扱いされがちなコウイカ類の見分け方と釣り方を詳しく解説していきます。
主に釣れるコウイカ類の見分け方
日本近海に生息するコウイカ類は「シリヤケイカ」 「コウイカ」 「モンゴウイカ」の3種類。
基本的な見た目や特徴は似ていますが、それぞれに個性があり、食味も異なります。
シリヤケイカ
体に白い斑点があり、足の間が白いものは「シリヤケイカ」。
外見が他の2種類とハッキリ異なるので見分けるのは簡単です。
干潟などの砂泥地を好み、初夏に藻場で産卵します。
身が硬いので、刺身よりも、焼き物やフライ、煮物にすると美味しく食べられます。
薄くそぎ切りにすると刺身でも食べることができます。
なおシリヤケイカの名前の由来ですが、胴の先端から赤茶色の液体を噴射するため、「尻が焼けたように見える」ことからこの名前が付けられました。
この液体はスミとは逆方向に噴射するため、近づいたときに靴やウェアを汚さないように注意しましょう。
コウイカ
関東ではスミイカ、関西ではハリイカと呼ばれる「コウイカ」。
スミイカと呼ばれるだけあり、イカのなかでも吐くスミが濃いのです。
また味も風味も良いため、イタリア料理のイカスミとしても使われます。
関西でハリイカと呼ばれる理由は、次に説明するモンゴウイカと異なり、胴の先端がハリのように尖った形状をしているから。
食味はコウイカ類の中では最も良いとされており、甘みのある身は寿司ネタとしても人気です。
生でも火を通しても美味しく、群れが近づいていれば、堤防から連発することもあります。
モンゴウイカ
モンゴウイカはコウイカと非常に似ていますが、甲の先端がとがっておらず、体表がコーヒー豆のような紋様があることです。
また日本近海で釣れる3種の中では大型になり、シーズン中ならキロオーバーも珍しくありません。
潮通しのいい砂地を好み、初夏に藻場で産卵を行います。
刺身でもっちりした食感が楽しめる人気のイカです。
コウイカの釣れる時期
コウイカの産卵期は春から初夏にかけて。
よって釣りのベストシーズンも産卵に伴って大型個体が接岸する同時期となります。
また、新子が成長して活発に捕食活動を行う秋から冬にかけても数釣りが楽しめます。
アオリイカのシーズンと被っている場合が多いので、両方狙うというのもアリかもしれません。
コウイカの釣れる場所
防波堤
底が砂地の防波堤は最も手軽にコウイカ釣りを楽しめる場所。
サーフに隣接していたり足元から水深のある防波堤がベストスポット。
コウイカが身を潜めやすい足元や、水深のあるミオ筋などが主なポイントとなります。
サーフ
コウイカは砂泥域の底に潜んでエビなどの甲殻類を待ち伏せ、捕食しています。
よってサーフはコウイカの好ポイントとなります。
また、サーフは意外とイカ狙いのアングラーが少ないポイントなので、真剣に狙えば思わぬポイントを開拓できるかもしれません。
藻場
藻場はコウイカの産卵場所となるため、春先に絶好のポイントとなります。
砂泥質に岩礁が点在しているような場所は藻も多く、好ポイントになります。
コウイカ狙いのタックル
エギング
アオリイカのエギングの最中に外道で釣れることも多いコウイカ。
もちろんエギングでコウイカを狙って釣ることが可能です。
タックルは標準的なエギングタックルでOK。
8フィート台でミディアムライト~ミディアムアクションのロッドに2500番台のリール、ラインはPEの0.6~0.8号が最も標準的なセッティング。
ショックリーダーも必ず結束し、エギは2.5号~3.5号をメインに用います。
スッテ仕掛け
エギング以外ではスッテを用いた胴突き仕掛けがポピュラー。
エギングのようにシャクる動作が不要なため、初心者にもおすすめ。
竿は2号前後の磯竿からシーバスロッド、エギングロッドなど何でもOK。
リールとラインはエギングと同じものでOK。
エギングタックルがあればエギングとスッテの両方の釣りを楽しめるのでおすす。
また、仕掛けの一番下につけるオモリは水深や潮の流れに合わせて3号~8号程度を使い分けます。
コウイカの釣り方
コウイカは砂泥地の海底に身を潜めていることが多いので、コウイカを専門に狙う際は、基本的にボトムを集中的に攻めることが重要。
キャスト後はあまり大きく動かさず、トゥイッチやズル引きを組み合わせながら誘います。
ボトムを確実に狙うために、ダウンショットリグや仮面シンカーを用いるのもOK。
コウイカ狙いにおすすめのエギをいくつかご紹介します。
ナカジマ「ラトリスコウイカ」
コウイカ専用の大型カンナを搭載したエギ。
シンカー部分にアイが搭載されており、ウエイトを追加しやすくなっています。
価格もリーズナブルなため、コウイカを専門に狙いたいアングラーはいくつか持っておくといいだろう。
キーストン「早福型 邪道編」
キーストンから発売されている、高いバランス性能を誇るエサ巻きエギ。
コウイカは好奇心が強く、エサの匂いによるアピールは効果抜群です。
また、エサを巻く分重さが出るため、コウイカのいるボトムを攻めやすいのも便利。
ヤマシタ「エギ王 LIVE サーチ 3.5D」
フォールスピードが1.8秒/mと早く、コウイカのヒットレンジであるボトム付近まで素早くアプローチ。
光と音で抜群のアピール力。遠くにいるイカにもしっかりと存在を認識させられます。
コウイカの見分け方・釣り方 まとめ
コウイカはアオリイカよりも好奇心が強く、釣り方も簡単なので、初心者にもおすすめのターゲット。
アオリイカと同じポイントで狙えるため、どうしてもお土産がほしいときはコウイカを狙いにシフトしてみるのもいいですよね。
本記事を参考に、ぜひコウイカを狙ってみてください!