エギングで釣ったイカを取り込むときにスミを吐かれたり、イカを捌いているときに墨袋を潰してしまったりして、服や釣り用ウェアをイカスミで汚してしまうことがあります。
イカスミは時間が経って乾いてしまうと落としにくくなるため、付着した直後の対処が重要です。
この記事では、服についたイカスミを落とす方法を、釣り場での応急処置から自宅での洗い方、乾いてしまった場合の対処、専門のしみ抜きまで順番に解説します。
【結論】服にイカスミが付いたときの対処法
イカスミが服に付いたら、まずはこすらず、できるだけ早く水で軽く洗い流して、乾燥させないことが大切です。
釣り場で完全に落とせなくても、できるだけイカスミを乾かさないようにして持ち帰り、帰宅後に洗濯表示を確認してから部分洗いを行いましょう。
乾いて落ちにくくなったイカスミでも、専門的なしみ抜きによって落とせる可能性があります。ただし、衣類の素材や色、シミの状態によっては完全に落ちない場合もあるため、大切な服は「イカスミのしみ抜き」に対応できる専門店へ相談するのがおすすめです。
服についたイカスミは早めに落とすのがポイント
服についたイカスミは、時間が経つほど落としにくくなる傾向があります。
特に注意したいのが、イカスミを付着したまま乾燥させてしまうことです。
そのため、エギング中などにウェアへイカスミが付いてしまった場合は、釣り場で完全に落とそうとするよりも、まずは汚れを広げないようにして、できるだけ乾燥を防ぐことを優先しましょう。
帰宅してから落ち着いて洗えるようにしておくことが、イカスミをきれいに落とすためのポイントです。
イカスミが服についた直後にやること
まずイカスミをこすらず取り除く
イカスミが服についたら、まずゴシゴシこすらないようにしましょう。
強くこするとイカスミが周囲に広がったり、繊維の奥へ入り込んだりして、かえって落としにくくなる可能性があります。
表面にまとまって付着している場合は、タオルやキッチンペーパーなどで上から軽く押さえ、できるだけ余分なイカスミを取り除きます。
水で軽く洗い流す
釣り場で水が使える場合は、イカスミが付いた部分をこすらず、軽く洗い流すようにします。
海水と真水のどちらがイカスミを落としやすいかについては情報にばらつきがあるため、ここでは「海水のほうが必ず良い」とは断定しません。
釣り場では海水しか使えないことも多いため、利用できる水でイカスミをできるだけ流し、乾燥させないことを優先すると考えるとよいでしょう。
大切なのは、水の種類にこだわることよりも、付着したイカスミをそのまま放置しないことです。
釣り場ではイカスミを乾かさずに持ち帰る
釣り場で完全にイカスミを落とせなかった場合でも、慌てて強くこする必要はありません。
水で軽く洗い流したら、できるだけ濡れた状態を保って持ち帰るようにしましょう。
例えば、汚れた部分を軽く水で湿らせた状態にして、ビニール袋などに入れて乾燥を防ぐ方法があります。
ただし、長時間水に浸けっぱなしにするという意味ではありません。目的はイカスミを乾燥させないことです。
帰宅したら、できるだけ早く本格的な洗浄を始めましょう。
服についたイカスミの基本的な落とし方
まず洗濯表示を確認する
イカスミを落とす前に、まず衣類の洗濯表示を確認しましょう。
衣類によって使用できる洗剤や漂白剤、水温などが異なります。
特に釣り用ウェアには、撥水加工や特殊な素材を使ったものもあるため、一般的な衣類と同じ感覚で漂白剤を使わないようにしてください。
洗濯表示で家庭での洗濯や漂白ができない場合は、無理に自分で処理せず、クリーニング店へ相談するほうが安心です。
中性洗剤で部分洗いする
家庭で洗える衣類なら、まずは中性洗剤を使った部分洗いから試します。
イカスミが付いた部分を水で湿らせ、中性洗剤を少量つけて、強くこすらずにやさしく処理します。
歯ブラシなどを使う場合も、ゴシゴシこするのではなく、軽く叩くようにして汚れを移すイメージで行いましょう。
洗剤を使ったら十分にすすぎ、汚れの状態を確認します。
酸素系漂白剤を使う
中性洗剤で洗ってもイカスミが残る場合は、衣類の洗濯表示で使用できることを確認したうえで、酸素系漂白剤を使う方法があります。
酸素系漂白剤には液体タイプや粉末タイプがあります。製品によって使用方法や使用できる素材が異なるため、必ず商品の表示を確認してください。
例えば酸素系漂白剤の製品には、衣類の汚れやシミへの使用方法として、ぬるま湯でのつけ置きなどが案内されています。ただし、素材や衣類の洗濯表示によっては使用できない場合がありますので注意してください。
洗濯機で通常洗濯する
部分洗いや漂白処理を行った後は、衣類の表示に従って通常の洗濯を行います。
一度で完全に落ちなかった場合でも、汚れが薄くなっていることがあります。
ただし、何度も強くこすったり、漂白剤を必要以上に繰り返し使用したりするのは避けましょう。
イカスミにアルカリ性洗剤は効果がある?
イカスミの黒い色素「メラニン」とは
イカスミの黒い色には、メラニン系の色素が関係しています。
イカスミに含まれるメラニンは水に溶けにくい性質があり、イカスミが水だけでは簡単に落ちない理由の一つと考えられます。
その一方で、研究ではイカスミ由来のメラニンはアルカリ性の溶液に溶解しやすいことが報告されています。
メラニンはアルカリ性で溶解しやすい
この性質から、イカスミの洗浄ではアルカリ性の洗剤が候補になることがあります。
ただし、これは「アルカリ性洗剤ならどんな衣類でもイカスミがきれいに落ちる」という意味ではありません。
衣類の汚れはイカスミの色素だけでできているわけではなく、衣類の素材や染色状態によっても洗浄結果が変わります。
衣類では洗濯表示を優先する
イカスミの性質を考えるとアルカリ性の洗剤は選択肢になりますが、衣類を洗う場合はメラニンの性質よりも、まず衣類の洗濯表示を優先してください。
漂白剤が使用できない衣類に無理に使用すると、色落ちや生地の傷みにつながる可能性があります。
また、酸素系漂白剤を使用する場合も、製品に記載された使用方法や注意事項を守りましょう。
白い服についたイカスミの落とし方
白い服は色柄物と比べて漂白剤を使いやすい場合がありますが、白い服だからといって、どの漂白剤でも使用できるわけではありません。
まず洗濯表示を確認し、使用可能であれば酸素系漂白剤などを使った処理を検討します。
家庭で洗える白い衣類なら、
- イカスミをできるだけ早く水で流す
- 中性洗剤で部分洗いする
- 汚れが残る場合は洗濯表示を確認して酸素系漂白剤を使う
- 十分にすすいで通常洗濯する
という順番で試すとよいでしょう。
なお、漂白剤を使用する場合は、製品の使用方法を必ず確認してください。
色柄物・釣り用ウェアについたイカスミの落とし方
色柄物や釣り用ウェアは、白いTシャツなどよりも慎重に処理する必要があります。
特に釣り用ウェアには、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維が使われているほか、撥水加工などが施されている場合があります。
そのため、いきなり強い漂白剤を使うのではなく、まず洗濯表示を確認しましょう。
家庭で洗える場合は、中性洗剤による部分洗いから始めます。
酸素系漂白剤を使用する場合も、衣類と製品の表示で使用可能か確認してください。
大切な釣り用ウェアや高価な衣類の場合、無理に自宅で処理するより、しみ抜きに対応しているクリーニング店へ相談する方法もあります。
時間が経って乾いたイカスミの落とし方
乾いていても落とせる可能性はある
「イカスミが乾いてしまったら、もう落ちない」と思ってしまうかもしれません。
しかし、乾いたイカスミでも、適切な処理によって落とせるケースはあります。
実際に、クリーニング店がイカスミのシミ抜きを行った事例もあり、家庭で洗濯や漂白をしても残ったイカスミを、専門的な処理によって改善した例もあります。
そのため、乾いてしまったからといって、すぐに諦める必要はありません。
無理にこすらない
ただし、乾いたイカスミを力任せにこするのは避けましょう。
強くこすることで汚れが繊維の奥に入り込んだり、生地を傷めたりする可能性があります。
自宅で洗える衣類なら、洗濯表示を確認したうえで、まずは中性洗剤などを使った部分洗いを試します。
それでも落ちない場合は、何度も自己流の処理を繰り返すより、専門のしみ抜き店へ相談するほうが安心です。
イカスミを落とすときにやってはいけないこと
ゴシゴシこすらない
イカスミが付いたからといって、最初から力を入れてこするのは避けましょう。
汚れを広げたり、繊維の奥へ入り込ませたりする可能性があります。
最初はタオルなどで押さえる、水で軽く流す、洗剤を使ってやさしく部分洗いする、といった方法を試しましょう。
いきなり熱湯を使わない
イカスミが付いた直後に、熱湯をかけるのはおすすめできません。
イカスミにはタンパク質も含まれているため、熱によって汚れが固着する可能性があります。
まずは水または衣類の表示に適した温度で処理しましょう。
洗濯表示を無視して漂白剤を使わない
「イカスミには漂白剤が効く」と聞いても、すべての衣類に使用できるわけではありません。
漂白剤には酸素系や塩素系などがあり、衣類によって使用できる種類が異なります。
特に色柄物やデリケート素材、特殊加工された釣り用ウェアなどは注意が必要です。
漂白剤を使う前に、必ず衣類の洗濯表示と漂白剤の使用上の注意を確認してください。
自宅で落ちないイカスミは「しみ抜き専門店」へ
乾いたイカスミでも専門的なしみ抜きで落とせる可能性がある
家庭で洗っても落ちないイカスミは、しみ抜きに対応しているクリーニング店へ相談する方法があります。
実際に、家庭で洗濯・漂白しても残ったイカスミに対して、専門店が酵素処理や漂白などを組み合わせて処理した事例があります。
また、イカスミをしみ抜きの対象として明記している専門店もあります。
そのため、乾いてしまったイカスミでも、専門的なしみ抜きで落とせる可能性はあります。
通常のクリーニングではなく「イカスミのしみ抜き」と伝える
大切な服にイカスミが付いてしまった場合は、単に「クリーニングしてください」と依頼するのではなく、「イカスミのシミが付いているので、しみ抜きをお願いしたい」と伝えることをおすすめします。
通常のクリーニングだけでは落ちにくいシミでも、しみ抜きの専門知識や技術を持つ店なら、シミの種類や衣類の素材を確認したうえで処理方法を検討してもらえます。
完全に落ちるとは限らない
ただし、しみ抜き専門店に依頼すれば必ずイカスミが完全に消えるわけではありません。
衣類の素材、染色、シミの大きさ、付着してからの時間、これまでに行った洗濯や漂白処理などによって、結果は変わります。
特に何度もこすったり、自己流の処理を繰り返したりすると、汚れだけでなく生地そのものにダメージを与えてしまうことがあります。
お気に入りの服や高価な釣り用ウェアなら、無理に自分で処理を続けず、早めに専門店へ相談するのも一つの方法です。
エギングでイカスミを服につけないための対策
イカスミをきれいに落とす方法を知っていても、最初から汚れを付けないようにするのが一番です。
イカをタモですくったら海面で少し待つ
アオリイカなどをタモですくった後、すぐに陸へ上げると、最後の抵抗で大量のイカスミを吐かれることがあります。
状況が許せば、タモに入れた状態でしばらく海面に置き、イカが吐けるだけスミを吐かせてから陸へ上げると、イカスミを浴びるリスクを減らせます。
イカを持つ位置に注意する
イカを手で持つ場合も、イカがスミを吐きそうな方向に顔や服を向けないことが大切です。
釣り上げた直後はイカが興奮していることもあるため、無理に近づけず、落ち着いて扱いましょう。
汚れてもいい服を着る
エギングでは、イカスミ以外にも海水や墨、魚の血などでウェアが汚れることがあります。
特に秋のアオリイカシーズンなど、イカを頻繁に取り込む時期は、多少汚れても気にならないウェアを選ぶのも一つの方法です。
お気に入りの服を着て釣りに行く場合は、汚れ対策として上からフィッシングジャケットなどを着用するのもよいでしょう。
イカスミが服についたときの対処をまとめると
服についたイカスミは、付着してから時間を置かないことが重要です。
釣り場でイカスミが付いてしまった場合は、次の順番で対処しましょう。
- イカスミをゴシゴシこすらない
- 水で軽く洗い流す
- できるだけ乾燥させない
- 濡れた状態を保つようにして持ち帰る
- 帰宅後、洗濯表示を確認する
- 中性洗剤で部分洗いする
- 必要に応じて酸素系漂白剤を検討する
- それでも落ちなければ、しみ抜き専門店へ相談する
特に覚えておきたいのが、「こすらない」「乾かさない」という2つです。
釣り場で完全に落とせなくても、無理にこする必要はありません。水で軽く流して、できるだけ乾燥を防いだ状態で持ち帰りましょう。
また、乾いて落ちにくくなったイカスミでも、専門的なしみ抜きによって改善できる可能性があります。大切な衣類の場合は、自己流で何度も処理するより、しみ抜きに対応したクリーニング店へ相談することも検討してください。
エギングではイカスミを完全に避けるのは難しいですが、取り込み方や服装を少し工夫するだけでも、イカスミによる被害を減らすことができます。