サビキ釣りは、足場の良い防波堤からアジサバなどを気軽に狙うことができるので、家族釣れやお子さんも楽しめます。
しかし、初心者向けの釣りとはいえ、道具や時期が合っていないと釣りにくいのも確か。
そこで、サビキ釣りに最適な道具や時期、釣果を伸ばす秘伝のコツをこっそりお伝えします。
サビキ釣りってどんな釣り方?
コマセを撒いて魚を寄せて、その中にサビキ仕掛けという、エサに似せた針が6~8本ついた仕掛けを忍ばせることで、針に本物のエサがついていなくても間違って魚が食いついてしまうというのがサビキ釣りです。
海中のコマセの煙幕の中にサビキ仕掛けをしっかりと入れておけば、あとは勝手に魚が2匹、3匹と食いついてくるので、誰でも簡単にトライでき、大漁も期待できる釣りです。
サビキ釣りは仕掛けを真下に降ろして釣るので、主に漁港などの防波堤・岸壁がある場所で行います。
ですので、砂浜や岩場ではやりません。
サビキ釣りで釣れる魚
サビキ釣りで釣れる魚は、アジ、イワシ、サバがダントツに釣れ、人気のターゲットです。
これらは「回遊魚」といって、エサのある場所を求めて集団で広範囲をグルグル動き回っている魚たちです。
したがって、魚の群れが足元にいない時は全く釣れませんし、群れが来たとたん、バタバタッと釣れだします。
サビキ釣りで使うコマセは小さなエビなので、アジ・イワシ・サバ以外にも、エビを食べる魚である、ウミタナゴ、小メジナ、サッパ、ボラ、クロダイ、コノシロ、メバル、チャリコ(マダイの子供)、シマダイなど、多彩な種類の魚もよくかかってきます。
サビキ釣りに必要な道具や仕掛け
以下の道具を揃えればサビキ釣りができます。
・リール竿
・リール
・コマセ袋
・サビキ仕掛け
・オモリ
・寄せエサ(アミコマセ)
・コマセすくい(スプーン)
・バケツ(アミコマセを入れておく)
以下、道具類をもう少し詳しく見てみましょう。
サビキ釣りで使う竿
サビキ釣りに適した竿は、3.0m~3.9mの万能(投げ)竿が一番扱いやすいです。
サビキ仕掛けが長い(1.2mくらい)ので、2m以下の竿だと、取り回しがきつく、非常に釣りがしにくくなりますよ。
また、コマセ袋にコマセを詰め込むと仕掛け全体の重さがグッと増えるので、竿がかなりしなります。
ですので、ある程度硬い(太さのある)竿のほうがやりやすいんです。
磯竿を使う方もいますが、これは竿が細いメリットを活かして掛かった魚が逃げにくくなるからです。
でも、磯竿は竿先が細いゆえ、ちょっとした不注意で竿先を折ってしまうことも。
もし釣り場で竿先を折ったら、その時点で続行不可能になります。(せっかく釣れてるのに~!)
初心者の方はサビキ釣りに磯竿を使わないほうが気楽に楽しめると思いますよ。
もし磯竿を使うのであれば、錘負荷3~5号の太めのほうがベターです。
サビキ釣りでリール
リールは、スピニングリールが扱いやすいでしょう。
リールに巻く道糸はナイロン3号であれば間違いないですが、2号~4号の範囲なら全く問題ありません。
リールの大きさは2000番~3000番の中小型が操作しやすいですね。
以下のような、最初から糸のついているタイプなら、リールに糸を巻く手間も省けます。
サビキ釣りで使う仕掛け類
サビキ仕掛けは、最初から針がセットされている市販のものを使います。
エサに似せた「擬餌針(ぎじばり)」には、魚の皮が三角形についている「サバ皮orハゲ皮」と、ゴムでアミコマセに似せた「スキン」の2タイプがあります。
一番無難かつ王道は「ピンクスキン」ですので、これは必ず用意しましょう。
でも、釣る地域や時期によって、ピンクスキン以外のタイプが良い場合もありますので、地域の釣具屋さんにどれが良いか聞くか、プラスで「白スキン」「サバ皮orハゲ皮」も持って行くと万全です。
サビキ仕掛けの針の大きさは、釣れている魚のサイズに合わせますが、15cm以下なら5,6号、20~25cmくらいなら7,8号で良いでしょう。
良く分からない場合は6号~7号でOK。
コマセ袋は、サビキ仕掛けの上につける上カゴ式と、一番下につける下カゴ式とがありますが、上カゴ式が基本となります。
様々なタイプのコマセ袋が販売されていますが、いちばんオーソドックスな袋タイプなら、どの釣り場でも使えるのでおすすめ。
このコマセ袋にアミコマセというドロドロの寄せエサを詰め込みます。
その時にスプーンを使うとサッと入れられて便利です。
上のような、すくったコマセを袋に押し出す機能がついたスコップもありますが、家に余っているスプーンでも代用できます。
仕掛けの一番下につけるオモリは、「ナス型オモリ」を使います。
釣り場の深さや潮の速さに合わせて、5~15号の重さを使用します。
5号を買って釣りをしてみたら潮が速くて軽いなと感じたら、5号を2つつければ10号になるので、そんなやり方でもいいと思いますよ。
サビキ釣りで使うエサ・コマセ
エサは「アミコマセ」を用意します。
アミエビという、体長2cmくらいの小さなエビを冷凍したブロック状のものです。
これは、針につけるのではなく、コマセ袋に詰めて、海中で振りまいて魚をおびき寄せるために使います。
サビキ釣りでは、針にエサをつけることは基本的にしません。
でも、あまり釣れない時は、この小さいエビをがんばって針につけて釣れやすくすることはあります。
アミコマセは買ったばかりの時はカチカチに凍っていますので、スプーンの柄の部分でガシガシつついてほぐすか、しばらく日なたに放置して溶けるまで待つかして使います。
釣行前日に購入して外に出しておいて、半解凍状態で持って行くのも便利です。
1ブロックで1人半日くらい使える分量があります。
電車釣行の時はこちら
アミコマセ最大の難点は「くさい」ことと、溶けだすとコマセ汁(ドリップ?)が大量に出ること。
車釣行の方ならアミコマセをバケツに入れて持って行けば大した問題になりませんが、電車だとあのニオイが絶対ヤバイです。
そんな時は、マルキューの「アミ姫」という、パックに入ったアミコマセが便利です。
こちらは常温保存のパック商品なので、封を開けなければニオイはしませんし、汁もれや結露もしませんから、電車釣行の場合は特におすすめです。
サビキ釣りのできるセット竿
いろいろ買い集めるの面倒だな~という方は、エサのアミコマセ以外が全部セットになっているものも販売されていますので、こちらから始めてみるのも良いんじゃないでしょうか?
サビキ釣りで釣れる時期や時間帯
サビキ釣りのシーズンは長く、4月~12月くらいです。
その中でも良く釣れる時期は、回遊魚が岸壁近くまでやってくる6月~10月ころ。
でも、地域やその年によって釣れる時期に差がありますので、インターネットや釣具屋さんでしっかりと情報収集するほうが間違いありません。
また、1日単位で見ると、サビキ釣りは早朝か夕方が良く釣れる時間帯です。
昼間はいったん食いが悪くなることが多いですが、釣れないわけではありません。
サビキ釣りは、そこに群れがいるかどうかで釣果が大きく変わります。
極端な話、釣り場に魚の群れがいるなら、冬だろうが昼間だろうが、どんな時だって釣れちゃいます。
サビキ釣りで釣果を伸ばすコツ
サビキ釣りでは、隣の人はバンバン釣っているのに、自分はあまり釣れないということもあります。
でも、ちょっとしたコツさえ知っていれば、釣果を伸ばすことができますよ。
ここではサビキ釣りのとっておきのコツをいくつかご紹介します。
- コマセ袋には、コマセを80%くらい入れる
コマセはギュウギュウ詰め込むこともできますが、コマセがすぐに足りなくなってしまいますし、逆にコマセの出が悪くなります。コマセ袋にコマセを詰める時はフワッとソフトに入れ、8割程度までにします。
何回かやっていると、袋の網がコマセのカスで目詰まりしますので、時々裏返してカスを取り除くと釣果が伸ばせます。 - サビキ仕掛けを数種類用意しておく
サビキの針には「皮」と「スキン」があります。
さらにその中でも色が違うものがあります。見た目は大して違わないのですが、食いつきが全然違うことがあります。
その時によく釣れるサビキ仕掛けを持っていれば、かなり釣果が伸びますので、最低でも「皮」と「スキン」を1種類ずつ、余裕があれば色違いも用意しておきましょう。【裏技】その時に釣れるサビキ針の見極め方
どの針が釣れるのか、片っ端からパッケージを開けて試すわけにもいきません。
でも、釣れるサビキ針が簡単にわかる方法があるのです。それは、近くで一番釣っている人の所に行って、どんなサビキ針を使っているのかをチラ見することです。
それと同じか近いものを使えばいいってわけです。
- 釣れているタナ(深さ)を見極める
魚は、ある一定の水深のところを泳ぐ癖があります。
急に浅い所に行ったり深い所に行ったりしません。ということは、その魚を釣るには、その日に泳いでいる深さに仕掛けを合わせないといけません。
サビキ釣りのターゲットであるアジサバなどの回遊魚ではこれが特に重要になってきます。
魚の泳いでいる深さのことを釣り業界では「タナ」といいます。
「タナを知り、タナを合わせる」のが、釣果を伸ばすコツです。
【裏技】その日のタナを簡単に見つける方法
水深のある釣り場だと、タナが浅いのか中ぐらいか、深いのか、見つけるのが難しいですよね。これも簡単!近くで一番釣っている人がどのくらいの深さに仕掛けを入れているかをチラ見します。
タナはチラ見するだけで見抜くのが難しいこともありますので、その人に「イヤーすごい釣れてますね!(まず褒める)タナってどれくらいですか?」と聞けば、たいていの人は教えてくれますよ。教えてくれたらお礼の言葉も忘れずに。
- 回遊してくる瞬間を逃さない
回遊性の魚がターゲットですので、いれば釣れる、いなくなれば釣れなくなる、というように、釣れる時間帯と釣れない時間帯が割とはっきり分かれます。周りの人が釣れだしたら、群れが近づいてきている証拠。
コマセをガンガン撒いて、自分の近くに魚を寄せて、集中して手返しよく釣りまくりましょう。 - 釣れない時は上下の誘いを入れる
あまり釣れない時は、魚がお腹いっぱいか、食い気が低いか、サビキ針をニセモノと見抜かれている可能性があります。サビキ針には本物のエサがついていないわけですから、ちょっと頭の良い魚だと、コマセだけ食べて、針をよけるようになります。
そんな時は、竿先を上下に動かして、水中のサビキ針が上下に動くようにして、いかにもエビなんだというようにしてみせ、ニセモノじゃないですよアピールをします。
動かすスピードもゆっくりやったり速くやったりして、変化をつけてみるのも良いです。
- 仕掛けはコマセの煙幕の中に入れてこそ釣れる
竿を上下に振り、海中でコマセを撒くと、魚が興奮状態になって、ニセモノであるサビキ針をエサと勘違いさせることができます。魚だって生きるのに必死なので、興奮していない通常モードだと針をエサだと勘違いさせるのは難しいです。
そこで必要なのが「仕掛けをしっかりとコマセの煙幕の中に入れること。」
仕掛けの上部にコマセ袋がついているなら、竿を振った後、竿先を(振った高さより)50cmくらい上げてストップさせておくことでそれが可能です。
また、竿を10回くらい上下させると、コマセ袋に詰め込んだコマセは空っぽになっていますので、そこでアタリがなければ仕掛けを回収し、コマセを詰め直します。
コマセがないのに(まだあると思って)竿を上下させてもあまり釣れません。 - 良く釣れるときは「追い食い」させる
サビキ釣り仕掛けは針が何本もついていますから、同時に何匹もかけることもできます。たまにしか釣れない時は1尾かかったら仕掛けを巻き上げますが、魚がウジャウジャいて、バンバン釣れるときは、最初のアタリで1尾かかってもまだ巻き上げちゃいけません。効率が悪くなります。
巻き上げずに魚が掛かった深さのところでじっと待ちます。
すると、掛かった1尾が水中で暴れることで、仕掛けが踊ったり、コマセが出たりして、他の魚も誘われて、2尾・3尾と次々掛かってきます。
これを追い食い(おいぐい)といいます。こうすることで、いっぺんに何尾もゲットでき、釣果が伸びるのです。
追い食いの待ち時間は長くても30秒くらい。
追い食いしない日はそれ以上待っても無駄なので、1尾ずつ確実に釣りあげます。 - 仕掛けが絡んだらサッサと新品に替える
サビキ仕掛けは針がたくさんついているので、釣れた魚を針から外している最中に仕掛けが絡まってしまうトラブルがよく起きます。仕掛けが絡まないように気をつけながら魚を外すのはもちろんですが、絡まってしまって、ほぐそうと思ってもなかなか直らない時は、さっさと諦めて新品の仕掛けに付け替えてください。
釣れる時間帯に、あまりにもったいないタイムロスになります。
サビキ釣り まとめ
どこでも「サビキ釣りは簡単!大漁!」なんて言われていますが、現実はそうでもないこともあります。
それは「そこに魚がいるかいないか」が大きく影響します。
「(魚がいれば)サビキ釣りで簡単に大漁!」がより正確かもしれません。
お子さんやご家族に「釣りなんかもう行かない!」と言われないように、ポツポツしか釣れない状況でもしっかり釣果を伸ばしたいなら、上記のコツを頭に入れておくと良いですよ!
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