近年盛り上がりを見せているアジング。
今までアジと言えばサビキ釣りが主な釣り方でしたが、それをルアーで狙うのがアジングです。
ルアーで釣るというゲーム性の高さはもちろんですが、個体数が多いので、近場で比較的簡単に釣ることができるという点から、爆発的な人気となっています。
でも、いくら手軽!簡単!とは言え、初心者にとっては、どうやって始めればいいんだ!?となりますよね。
本記事ではそんなアジングを始めてみたいという初心者向けに、タックルの揃え方から、アジを釣り上げるところまでの方法を解説していきます。
アジングの楽しみとは?
アジングに必要とされるのは、ロッドとリール、ラインにルアーという、ルアー釣りにおける最もシンプルなタックルで、かつそれぞれが軽量なもの。
そのため、仕事帰りやちょっとした隙間時間に気軽に楽しめるのがこの釣りの魅力。
また、アジは食べても美味しくて、様々な調理法もあり、釣ったあとも楽しめるという、一石二鳥のお魚さんなのです。
アジングのおすすめ時期・シーズン
アジは1年中釣れる魚ですので、やろうと思えば1年中アジングが楽しめます。
しかし、釣りにくい時期もあります。
海水温の低い冬場はアジの活性も低下しますので、釣りにくい時期です。
また、春は産卵の時期で、産卵が始まるとエサをあまり食べなくなるので、釣りにくくなります。
※産卵時期は、一般的には東日本で4~7月、西日本では1~5月と言われています。
したがって、アジングで釣りやすい時期は8月~11月ころがベストシーズンと言えますね。
アジングでのポイント選び
ベストシーズンだとしても、そこにアジがいなければ始まりませんよね。
アジングで魚をキャッチするためには「ポイント選び」がかなり重要!
釣具店やネットなどで、今どこでアジが釣れているのか?の情報を入手し、それを活用するのも賢い選択です。
それに加えて、アジがどのような魚であるかを理解すれば、散らばっている情報をきちんと選択することもできますし、自分の足で開拓することもできるようになりますよ。
常夜灯のある漁港
常夜灯のある漁港は、アジの餌となるベイトがプランクトンを捕食するために集まってきます。
常夜灯がしっかり効果を発揮しだすと、このベイトを求めてアジも常夜灯付近を中心に回遊するようになります。
とくに明るい部分と暗い部分の境目、いわゆる明暗付近を回遊していることが多いですから、そこは狙い目となってきます。
潮通しの良い漁港
岬の先端付近などにある、潮通しの良い漁港はアジに限らず、様々な魚の回遊が期待できます。
実際に釣りをしてみて、海面を流れているゴミに着目して、よくゴミが動く場所を選択しましょう。
多くの回遊が期待できる他、魚の食い気があることも多いため比較的イージーな魚に出会えることが多いです。
障害物の沈んでいる漁港
海中に障害物があると、そこに潮が当って流れのヨレを作り出します。
アジに限らず魚はこのヨレを好んでいます。
ヨレには遊泳力の少ない流下ベイトと呼ばれるアミやプランクトンが溜まりやすく、アジもその周りを回遊することが多くなります。
これは実際に釣りをしてみないとわからないことが多いですから、ボトム付近を中心に探っていく時は地形変化も捉えておきましょう。
アジングの釣り方
1.0g前後のジグヘッドをメインにキャスト後、10~15カウント。そこからテンションフォールでボトムまで探っていきます。
水深5mぐらいからボトムをしっかり探るというイメージです。
キャスト後、ラインスラックを取り、若干テンションを張り気味にしてアタリを待ちます。
実はアジは大きなアクションはそこまでいらないので、待っているだけでも釣れてしまいます。
少しだけチョンチョンとアクションを加えるだけでOK。
大きなアクションはむしろレンジを外してしまうので、少しだけアピールさせてやるだけで十分なのです。
アジングロッドの選び方
アジングで最もポピュラーなのは長さが6.0フィート前後のモデル。
このくらいの長さが汎用性に優れるので、初めに購入する1本はこの範囲のものを買うようにしましょう。
アジングでは非常に軽いリグを扱うので、アジング専用ロッドを用意したほうがいいよ!
短いロッドのメリット
短いロッドのメリットとしては、ジグヘッドリグで釣りをする際に潮の流れを感じやすいとか、細かなリグの操作がしやすい点です。
また、短いロッドのほうが「かけて引きを楽しむ」というのも感じやすいでしょう。
長いロッドのメリット
逆に7フィート後半台や8フィート台の長めのロッドはキャロライナリグやスプリットリグといった釣りに向いています。
流れが速いポイントを攻略する際や、飛距離を稼ぎたいときにもおすすめ。
ただし、これらの釣り方は基本となるジグヘッドリグでの釣りがしっかりできるようになってから。
「ソリッドティップ」か「チューブラーティップ」か
アジングロッドを選ぶ際に必ず直面する悩みどころは、ティップをソリッドとチューブラーのどちらにするかという点。
「ティップ」とはロッドの穂先のことで、ソリッドティップは穂先の内部が詰まっているものを、チューブラーティップは穂先の内部が空洞となっているものを指します。
一般的にはソリッドティップは細くてしなやかさに優れ、チューブラーティップは太くて張りがあるものが多いです。
そのため、前者は「食いに合わせる」釣りに向いていて、後者は積極的に掛けていく釣りに向いていると言われています。
どちらが良いかは好みの問題もありますが、最近のアジングロッドの主流はソリッドタイプです。
初心者におすすめのアジングロッド
アジング入門者向けに、手頃な価格で、なおかつ必要十分な性能を持っているロッドを紹介します。
メジャークラフト「ソルパラ アジング専用モデル SPX-S642AJI」
高コスパ低価格ロッドならこちら。
操作性が高い6フィート4インチで、漁港の常夜灯廻りのショートキャストで丹念に探る釣りに最適です。
どんなアングラーでも使用しやすい、汎用性が高い設計になっています。
ダイワ「月下美人 AJING」
ダイワのアジング専用ロッドのエントリーモデル。
入門ロッドとは言え、63gという軽量で、高感度のソリッドティップを搭載しており、最初の1本としては申し分ない性能となっています。
アジング用リールの選び方
アジは小型の魚なので、リールにパワーは必要ありません。
また、投げるルアーも小型・軽量なので、そもそも飛距離が期待できないため、ラインの容量もそれほど重要ではありません。
アジング用リールに求められるのは、長時間釣りを続けられ、繊細なアタリを逃さないための「自重の軽さ」と、ヒットした瞬間に糸を切られないための「ドラグの滑らかさ」です。
リールの大きさ
アジング用リールに最適なリールサイズは500~2000番のもの。
このサイズのリールには、通常のラインナップとは別にアジング専用として発売されているものもあるので、そちらを選択してもOK。
1000番はラインを巻き取る速度が遅いので、よりスローな釣りがしやすい一方、一般的に2000番よりもスプールの直径が小さいため、ラインに糸癖が付きやすいというデメリットもあります。
いっぽうで、2000番となると他の釣りにも転用しやすい半面、自重が重くなり、ロッドとのウェイトバランスが悪くなる恐れもあります。
ギア比
リールを選択する際に必ず迷う点が、どのギア比のリールを購入するかだ。ギア比の大きさは、小さいほうから順にパワーギア(PG)→ノーマルギア→ハイギア(HG)→エクストラハイギア(XG)となっています。
アジングでは巻いて誘う場合も、落として誘う場合もありますが、全体としてはスローな釣りなので、ノーマルギアモデルのほうがマッチしています。
ドラグの性能
リールにはある一定以上の力がかかったときに、糸を放出することができるドラグという機構が付いています。
アジングでは極細ラインを使用するため、このドラグが滑らかに出るかがとても重要です。
そのため、ドラグにベアリングが採用されているリールかどうかが、選択のひとつの基準になります。
初心者におすすめのアジング用リール
アジング入門者向けの、コスパの良いリールを紹介します。
シマノ「22ミラベル」
上位機種に搭載されているテクノロジーが多数採用されており、1万円台前半のリールとしては高コスパなリール。
C2000Sはノーマルギアで浅溝スプール。ジグ単から遠投まで幅広い用途に対応できます。
ダイワ「23レガリス」
ダイワの低価格帯リールの中では、軽量かつ高性能でアジングに向いているのがこちら。
先代の18レガリスも超軽量・コンパクトで大人気だったのですが、今回のNEWモデルはそこからさらに軽量化されています。
ドラグもダイワの新世代仕様「ATD TYPE-L」を採用。
ドラグの滑り出しが滑らかで、アジングには十分な性能です。
アジング用ルアーの選び方
最近ではハードルアー(プラグやメタルジグ)を使うこともありますが、アジングの主流はやはりジグヘッドとワームの組み合わせ。
アジング初心者はまずはこれで釣果を上げることを目指しましょう。
アジングに用いるジグヘッドは1g前後、それに2.5インチ程度のワームをセッティングするのが基本となります。
このジグヘッドが重すぎると沈むスピードが速くなりすぎ、アジの吸い込むようなバイトが追いつかないのです。
ウェイトはその日の潮の流れや水深によって使い分ける必要がありますが、飛距離を稼ぎたいからと言って重いジグヘッドを使用すべきではありません。
専用タックルとキャストの練習で、あなたも軽いジグヘッドで必要な飛距離を出せるようになりますよ。
アジング用ジグヘッドの選び方
アジング用ジグヘッドには、大別するとラウンド型(丸型)のものと、矢じり形のものがあります。
それぞれ誘い方が違いますが、初心者におすすめなのはラウンド型(丸型)のもの。
こちらは矢じり形のものに比べ潮受けが良く、潮の流れを感じやすいです。
また、美しいフォール姿勢を描くことができるので、フォール中のバイトを誘発させやすい形状です。
リフト&フォール、ただ巻きどちらの釣りにおいても有効なため、ジグヘッドのタイプに迷ったらラウンド型のジグヘッドを購入するようにしましょう。
アジング用ワームの選び方
アジング用ワームにはサイズ、カラーともに多くの種類がラインナップされています。
初心者は迷ったらまず2.0インチ前後で、クリアカラーにラメの入った色合いで、形状はストレートのものを買いましょう。
これが最も実績があり、一般的なワームです。
そして次に、暗い夜にアピール力が高いグローカラー、他の色では攻略しにくい日中のアミ付きパターンに強いピンクやオレンジ系といったカラーを揃えていけばOK。
アジング用ラインの選び方
シーバスやエギング、ジギングのメインラインには今やPEラインを使用することがほとんどですが、アジングにおいては釣り方の違いで3種の異なる素材のラインを使い分けます。
初心者はまずは0.3号のエステルラインを選択し、上達したら釣り方や状況によって使い分けるようにしよう。
ルアーをどうアクションさせ、アジにどう食わせたいか。自分のやりたいことが分かってくると、必然的にラインの素材も決まってくると思います。
それぞれの素材の長所、短所を確認しておきましょう。
エステルライン
現在、ジグ単の釣りの主流となっているライン。
長所は、直線強度が高く、なおかつ伸張性が低いため感度も良いというところ。
また、フロロカーボンに比べて飛距離が出るところです。
短所は結束強度が弱く、直にジグヘッドに結ぶと簡単に切れてしまうところ。
そのため、ラインの先端にはフロロカーボンなどのリーダーを接続する必要があります。
使用する太さは0.2~0.3号を目安にします。
フロロカーボンライン
エステルラインが普及するまではアジングのメインラインとしてよく使用されていた素材で、今なお使用しているアングラーは少なくないと思います。
主にエステルラインのリーダーとしてよく使われています。
長所は耐摩耗性に優れ、リグに直に結ぶことができるところ。現場でリーダーを結束する手間が発生しないのは、手返し良く釣りをする上では大きな利点ですよね。
加えて、比重がおおよそ1.8と重さがあるため、ラインが潮に馴染む点も見逃せません。
短所はエステルラインに比べ、飛距離と感度が落ちるところ。
使用する太さは2.0~2.5ポンドを目安にします。
PEライン
アジングのみならず、ルアー釣り全体で主流となっているPEライン。
長所はエステルラインよりさらに伸張性が低く、強度も高いところ。
この長所は、水深があり、流れが速いエリアで大型のアジを狙う際には有効となります。
短所はアジング用の極細のPEラインが高価であること、エステルラインに比べて飛距離が出ないこと、風に弱いことなどが挙げられます。
ジグヘッド単体で使う場合は0.1~0.2号、キャロライナリグなどを使う場合は0.2~0.4号が基準になります。
釣行が快適になるアジング用アクセサリー
最後に釣行を快適にしてれるアジング用のアクセサリーを紹介します。
これらを携帯することで、手返しが良くなり、釣果の向上も見込めるかも?
第一精工「ワニグリップMC」
暴れる魚もしっかりと持つことができるワニグリップは、釣り上げた後に素早くフックを外すのに有効。
アジの時合は短いことが多いため、こうした道具を使って手返し良くすることが釣果を伸ばすためにとても重要なのです。
数百円で売られている同様のツールに比べると高価ですが、その分グリップ力は数段上で、魚が暴れてもガッチリホールドできます。
また、ホルスターがついているモデルもあり、そちらは汚れたグリップをしまうのに便利です。
アジンガーならぜひとも携帯しておきたい道具のひとつですよ。
メイホウ「ランガンケース1010 W-1」
ジグヘッドとワームを収納するのに便利なボックス。
いくつかサイズがあるので、必要とするジグヘッドとワームの量に合わせて選びましょう。
道具の整理整頓がなされていると、使いたいジグヘッドやワームをすぐに取り出すことができるため、手返し良く釣りができるのです。
同時に、このケースをひとつ持ち歩いていれば、複数個のワームパックを持ち歩く必要性はなくなります。
メイホウ「スリットフォームケース」
ジグヘッドとワームを(あらかじめ自宅で)セッティングしたものを収納しておくためのケース。
真冬の夜釣りなど手がかじかんで現場で、中々ワームが真っ直ぐに刺せないような状況下では、事前にセッティングしておくと糸が切れた際やリグを交換する際にすぐに釣りを再開することができます。
これも手返しを良くするためには重要なことなのです。
アジングの始め方 まとめ
シンプルなタックルで、ちょっとした準備だけで始められるアジング。
しかも、日本全国どこにでもポイントはあり、食べても美味しいとなれば、やってみる価値ありですね。
本記事を読んだら、早速準備して釣り場に行ってみよう!