魚はニオイを手掛かりにしてエサを探すことが多いので、強いニオイいがするにんにくは、釣りエサとしても有効です。
釣りエサと言っても、にんにくそのものを釣り針につけて魚に食わせるわけではなくて、遠くにいる魚をおびき寄せる寄せエサとして、粉末状にして利用します。
にんにくを配合した釣りエサは数十年前から販売されているので、長年釣りをしている人なら使ったことがあるかもしれませんね。
でも、どんな魚にも有効なわけではなく、どうやらにんにく臭が好きな魚がいるようですよ。
にんにくパワーで釣果アップが期待できる魚種は何でしょうか?
魚とエサのニオイとの関係を探ってみましょう。
魚はやっぱりニオイが好き
魚釣りでは、ニオイのしないエサよりもニオイのするエサのほうが良く釣れます。
ニオイのしないエサの代表例がルアーです(エサじゃないですけど)。
ルアーは、動かさなければただのプラスチックの固まりですから、なかなか釣れません。
でも、本物のエサなら、ニオイなどのエキスが水中にしみ出して、魚はその匂いにつられて引き寄せられてしまいます。
本物のエサだとしても、長時間ハリにつけっぱなしで、エキスが完全に流れ出てしまったものは、かなり釣れにくくなります。
にんにくは何十年も前から愛されている集魚剤
実は昔から釣具屋さんにはにんにくパウダーが置いてあって、メインの釣りエサとしてではなくて、練りエサに混ぜたり、エビなどの付けエサにまぶしたりして使う用途で、ひっそりと販売されていました。
そして、今から何十年も前の1980年代に、有名釣り具メーカーのダイワから「鯉にんにく」という鯉釣りの練りエサが発売されました。
それまで知る人ぞ知るだったにんにくの威力を、初めて「にんにくパウダーで魚を寄せて食わせる」と大々的にアピールした製品でした。
これを機に、だんだんと「にんにくっていいじゃん!」と、にんにくパワーを多くの釣り人が知るようになっていったのです。(諸説あり)
「にんにくが効いたかどうかは定かではないが、鯉にんにくはとにかく良く釣れたので驚いたっ!」とのこと。
今もなお数々のにんにく入りエサが!
鯉にんにくは惜しくも販売終了となっていましたが、にんにく入りのエサは進化を遂げながら、今もなお数多く発売されています。
にんにく配合の釣りエサ
市販の釣りエサには、対象魚に合わせてさまざまな種類が発売されていますが、にんにくを配合している釣りエサは結構ありますね。
日本を代表する釣り餌メーカー「マルキュー」からも、数々のにんにく入りエサが発売されていますね。
釣り餌のプロ集団であるマルキューが、今もなおエサににんにくを配合しているということは、やはりそこには何らかの集魚効果があると言って間違いないでしょう。
にんにくの集魚効果を科学的に考える
魚は目が悪いので、エサを探す時には人間よりはるかに鋭い嗅覚を使います。
遠くにあるエサでもわずかなニオイがすれば察知でき、ニオイのする方向へ近づいていって、エサが目の前までくると、視覚や味覚でさらに確かめてから、パクッと食いつくのです。
このように、釣り餌がここにあるよ!と遠くの魚にアピールする最強の手段がニオイなわけです。
魚が最もよく反応するニオイはアミノ酸で、海釣りでよく使われる撒きエサ「沖アミ」「アミコマセ」には、アミノ酸がたっぷりと含まれています。
にんにくにはアミノ酸も含まれていますし、何といっても強烈なにんにく臭があります。
このニオイを水流に乗せて、遠くにいる魚に届ける効果があると考えられます。
釣りでにんにくの集魚効果 まとめ
恐るべしにんにく臭ですね。人間だけでなく、魚にも有効だとは驚きです。
でも、にんにくパワーで寄ってくる魚は種類が限られているようです。
市販のにんにく入りエサのラインナップを見ても、対象魚が「コイ」「ヘラブナ」「クロダイ」「メジナ」がほとんど。
ということは、にんにくは、強いニオイ自体が大好きで、植物性(雑食性)の食性(にんにくは植物だから)の魚が引き寄せられるのではないでしょうか?
魚が好むニオイが何なのかということは、本当に奥が深そうです。